愛車を廃車にするのか廃車にしないのか悩んでいる方いませんか?
長年所有し続けた車を廃車と判断する際には決断しきれないこともあるでしょう。
しかし、このまま所有し続けても、車が故障してはいけないと焦る気持ちも分かります。廃車と判断する基準はどのようなポイントなのでしょうか?
そこでこの記事では、愛車を廃車と判断する5つの基準を解説します。記事内では廃車基準の他にも、廃車手続きの手順や注意点も解説しています。
気になる方は是非参考にしてみてください。
廃車を判断する5つの基準とは?
廃車を判断する基準は5つあります。
・基準1:完全修復が難しい
・基準2:買い替えた方がお得
・基準3:20万kmもしくは20年以上経過している
・基準4:修復歴がある
・基準5:年間の維持費が高い
それぞれの基準を詳しく解説します。
基準1:完全修復が難しい
車両事故や水没、故障が原因で車の完全修復が難しい場合には、廃車と判断します。
見た目は軽いダメージでも、修理して安全に走行できないと判断された場合には、修理業者から廃車を進めれることもあるでしょう。
修理業者の提案を無視して車を無理やり修理しても後日異音やが発生して正常に作動しない可能性も考えられます。
完全修復ができない状態を判断するのは、初心者の目では判断できかねませんが、現状どのような状態になっているのをプロの整備士に教えてもらいましょう。
基準2:買い替えた方がお得
車を修理するよりも新しい車に買い替えした方がお得なケース廃車の判断基準になります。
具体的には、年式が同じ車が40万円で販売されているのに対して、愛車の修理費用が40万円以上必要になる場合には新しい車に乗り換えした方がお得です。
長年運転したことが原因で故障頻度が多くなったケースも廃車を判断する1つの基準でしょう。
毎回修理を依頼し、1回ごとに修理費用を支払うのも金額が高くつきます。
長年所有し続けて愛着が湧いているのも分かりますが、買い替えした方が良いケースも中にはあります。
基準3:20万kmもしくは20年以上経過している
車の寿命は一般的に「初度登録から10年もしくは10万km以上」が1つの条件となります。
10年もしくは10万km以上の場合、車が故障するリスクが高くなり、高額な修理費用を請求される可能性も多くありません。
定期的なメンテナンスを実施している場合でも、10年もしくは10万kmごとに1回車を買い替えすることをおすすめします。
現在所有している車が故障しない内に廃車手続きを進めましょう。
基準4:修復歴がある
車のフレーム部分に損傷や交換、修理の跡がある車は廃車を判断する基準の1つです。
フレームの損傷が軽度であれば、買取もおすすめしますが、あまりにも修理部分や事故での損傷がひどい場合には、車の再販はできません。
修復歴がある車は、中古車市場でも買取金額が下がりやすい傾向があるため、廃車の検討も選択肢の1つになります。
基準5:年間の維持費が高い
車は初度登録から月日が経過するごとに様々な部品が経年劣化してきます。
具体的には、
・ワイパー
・エンジン周り
・ブレーキパット
・足回りの部品
・電装関係
などが挙げられるでしょう。
他にも、現行の税制度では、年式が13年以上経過すると、自動車税が15%加税されます。
そのため、初度登録から13年を超える車を所有している場合には、廃車を選択するのも良い判断になります。
維持費が高額になる車に2年に1回の車検を実施するのも、金額面が勿体無い気がします。
【6ステップ】廃車を判断した後の手続き
愛車を廃車にする判断をした後は、以下6つの手順で手続きを進めます。
・手順1:車を解体する
・手順2:必要書類を準備する
・手順3:運輸局で廃車手続きを行う
・手順4:ナンバープレートを返却する
・手順5:必要書類を提出する
・手順6:還付金手続きを行う
1つ1つの手順を詳しく解説します。
手順1:車を解体する
まずは「車を解体する手続き」と「車両の解体」を行います。
車を廃車にする手続き(永久抹消登録)を行いには、車を解体した際解体業者から発行される書類が必ず必要です。
もし、廃車手続きをご自身で行われる場合、車の解体を請負してくれる業者を探しましょう。
手順2:必要書類を準備する
車を解体した後は、廃車に必要な書類を準備します。
廃車に必要な書類は軽自動車と普通車によって異なります。
【軽自動車の廃車時に必要な書類】 | 【普通車の廃車時に必要な書類】 |
自動車検査証(車検証) | 自動車検査証(車検証) |
リサイクル券 | リサイクル券 |
納税証明書 | 納税証明書 |
自賠責保険証明書 | 自賠責保険証明書 |
認印 | 譲渡証明書 |
委任状 | |
実印 | |
印鑑証明書 |
上記、表を確認した上で必要な書類の準備を進めていきましょう。
軽自動車と普通車の必要書類では「普通車」の方が用意する書類が多いです。
また、普通車以上の車を廃車にする際に必要な印鑑証明書が「車検証の所有者の印鑑証明書」です。
売却主の印鑑証明書ではありません。
手順3:運輸局で廃車手続きを行う
車の解体と廃車に必要な書類を準備した後は、車検証に記載された使用本拠地の運輸支局にて廃車手続きを進めましょう。
運輸支局は平日の8時45分〜11時45分、13時〜16時まで申請手続きが可能です。
土日祝や年末年始は対応できないため、注意が必要です。
手順4:ナンバープレートを返却する
次にナンバープレートを運輸支局に返却します。
ナンバープレートは運輸支局に返却します。
返却後は、手数料納付書に確認印を押してもらいましょう。
基準5:必要書類を提出する
ナンバープレートを返却した後は、運輸支局の窓口にて、廃車に必要な書類を提出しましょう。
運輸支局から交付された書類は念の為、保管が必要です。
基準6:還付金手続きを行う
廃車手続きが完了した後は、還付金手続きを行います。
還付金手続きが実施できるのは「普通車以上の車」です。
軽自動車に還付金はありません。
還付金の手続きは運輸支局内の税申請窓口にて行います。
【業者別】廃車後に発生する費用相場
廃車にかかる費用を業者別に解説します。
以下で紹介する廃車業者は3社です。
・ディーラー
・スクラップ業者
・買取業者
廃車業者によって金額が異なります。
それぞれの業者の特徴を理解して、自分に合う最低な廃車業者を探しましょう。
ディーラーの廃車相場
ディーラーは新車や中古車の販売以外にも、車の廃車手続きを代行依頼できます。
ディーラーは大手自動車メーカーと特約店契約を結んでいる正規販売店のため、他社よりも安心感があります。
仮にディーラーで廃車手続きを実施した場合の費用は、
・普通車の廃車手続き:20,000円〜60,000円
・軽自動車の廃車手続き:20,000円〜40,000円
ディーラーで廃車手続きを行う場合、他社よりも廃車手続きの費用が高額になりやすいデメリットがあります。
ディーラーでは1人の担当が廃車対応してくれる安心感がありますが、手続きに関する費用が高額になるため、メリットとデメリットを理解した上で、判断しましょう。
スクラップ業者の廃車相場
スクラップ業者とは、金属製品の廃棄物や金属製品を作る過程で発生する廃金属を扱う業者のことです。
スクラップ業者に廃車手続きを依頼する場合の費用は、
・普通車の廃車手続き:20,000円〜50,000円
・軽自動車の廃車手続き:15,000円〜40,000円
ほどの金額です。
ディーラーと手続き費用を比較すると、少し金額が低めに設定されている特徴があります。
買取業者での廃車相場
買取業者とは、車の買取を中心に事業展開する業者です。
もちろん、買取業者でも廃車手続きが可能であり、廃車に関係する費用も含めた上で査定を実施してくれます。
ディーラーと同じく、車を廃車手続きを全て代行してくれる特徴があり、手間も一切かかりません。
中古車として買取してもらえない車や事故の影響で廃車にする車でも、気軽に対応してもらいやすいでしょう。
廃車手続きの際に気をつけてほしい3つの注意点
廃車手続きの際に気をつけてほしい注意点が3つあります。
・注意点1:廃車手続きのタイミング
・注意点2:受け取れる還付金
・注意点3:ローン残債の有無
それぞれの注意点について詳しく解説します。
注意点1:廃車手続きのタイミング
車が廃車状態の場合、手続きは早めに実施することをおすすめします。
理由としては、たとえ廃車寸前の車でも手元に保管していくだけで、自動車税の税金を支払う義務が発生してしまうからです。
自動車税は毎年4月1日時点での所有者に課される税金です。
廃車が確定している場合には、3月末までに廃車手続きを完了させられるよう準備しておきましょう。
廃車業者に車を引き渡した後、車の名義変更完了までを考えると、3月初旬までには書類を準備して手続きを済ませておきたいのものです。
注意点2:受け取れる還付金
受け取れる還付金の仕組みを理解しておくことも重要です。
還付金は普通車以上の車に返金される未経過分の自動車税のことです。
車の廃車や名義変更が完了されると元所有者に自動車税が還付される仕組みになっています。
ただし、自動車税などの還付金が返金されるのは「普通車以上の車」です。
軽自動車の自動車税は月割りで計算できないため、税金が還付されることがないため、注意しましょう。
注意点3:ローン残債の有無
廃車予定の車にローンの残債が残っていないのか事前に確認しておきましょう。
ローンの残債が現在も残っている車は勝手に売却できません。
ローン残債がある車を売却する場合には「残債の一括返済」を行う必要があります。
残債の返済方法は、一括返済以外にも銀行ローンで借りて返済する方法も中にはあります。
残債の一括返済が完了すれば、「所有権解除登録」の手続きを行います。
買取業者によっては手続きを代行してくれるため、買取時に事前確認しておきましょう。
ローンが残っている車を勝手に売却した場合「横領罪」が課されます。
売却後に廃車業者とトラブルに発展させないためにも、まずは車検証に記載されている所有者の記載欄を確認することから始めましょう。
もし、車の中に車検証が保管されていない場合には、車検証の再発行手続きを行う必要があります。