車両事故や水没被害などで車を廃車にしなければならない場合、任意保険の手続きをどう対応すれば良いのか理解していない方は意外と多い傾向があります。
車が廃車状態になったにも関わらず、そのまま保険を継続してはお金がもったいないです。この記事では、廃車後の任意保険手続きや任意保険解約タイミングをケース別に解説します。
また記事内では、実際に廃車後の手続きについてステップ別に紹介しています。廃車後の任意保険手続きが気になる方は、是非参考にしてみてください。
廃車後は任意保険を解約すべき?
廃車後の任意保険は解約もしくは中断証明書を発行することがおすすめです。ただし、注意するべきポイントは「等級」になります。
自動車保険の等級は、保険に加入している運転手がどれだけ優良かを示す指標のことです。
等級は1等級〜20等級まで設定されており、20等級に近づくにつれて保険料の割引が大きくなります。
車両事故により自動車保険を適用させなければ、毎年1等級ずつ等級がアップしていく仕組みです。
廃車により任意保険を解約した場合には、今まで積み上げてきた自動車保険の等級を手放さなければいけません。
仮に新しく自動車保険を再開させる場合、6等級からのスタートになってしまいます。
そこで利用したい手続きが「中断証明書の発行」です。中断証明書とは、保険会社に解約ではなく、保険を中断する手続きを証明する書類のことです。
仮に任意保険を再開する場合には、今まで積み上げてきた元の等級を引き継いだ上で、自動車保険を再開できます。
任意保険は中断する場合と解約する場合は廃車にする契約者のライフスタイルによって異なります。
そのため、廃車後はまず保険会社に任意保険の手続きについて相談しても良いでしょう。
任意保険を途中解約した場合は解約返戻金が出る
廃車により任意保険を途中で解約した場合には、途中解約にした月により。、解約返戻金が戻ってくる仕組みがあります。
解約返戻金については、以下の表を参考に金額を算出してみましょう。
【任意保険加入期間別】 | 【返戻金率】 |
1日〜7日以内 | 10% |
7日〜15日以内 | 15% |
15日以内〜1ヶ月 | 25% |
〜2ヶ月 | 35% |
〜3ヶ月 | 45% |
〜4ヶ月 | 55% |
〜5ヶ月 | 65% |
〜6ヶ月 | 70% |
〜7ヶ月 | 75% |
〜8ヶ月 | 80% |
〜9ヶ月 | 85% |
〜10ヶ月 | 90% |
〜11ヶ月 | 95% |
〜12ヶ月 | 100% |
上記はあくまで参考の解約返戻金です。
詳しい解約返戻金を知りたい方は、保険会社に保険の中断もしくは解約手続き時に返戻される金額を確認してみましょう。
現在、任意保険を月払いで支払っている場合、月初めから10日以内に解約返戻金は指定口座に振り込まれます。振り込まれる口座は、現在任意保険の引き落としが発生してる口座です。
【ケース別】廃車後の任意保険手続きを解説
廃車後の任意保険手続きについて、ケース別に解説します。
・ケース1:永久抹消登録の場合
・ケース2:車両入替の場合
・ケース3:しばらく車に乗らない場合
・ケース4:中断証明書の発行条件
それぞれのケースについて詳しく解説します。
永久抹消登録の場合
永久抹消とは、車を解体して名義の抹消を行う手続きです。解体した車は使用不可となるため、解体後に保険を付帯していると金額の無駄になってしまいます。
永久抹消登録の場合には、任意保険を解約もしくは中断証明書の発行依頼を行いましょう。
任意保険の解約。中断依頼は、廃車工場に車の持ち込みが完了してから手続きを行うことをおすすめします。
仮に車両事故でレンタカーを借りている場合、レンタルしている車で事故を起こした場合には、他社運転特約が使用できます。
また、業者にレッカーを依頼して車を引き取りしてもらう方法もありますが、運搬を依頼するだけでも1万円程度の費用が必要になるでしょう。
ギリギリまで事故は発生する可能性があるため注意が必要です。
車両入替の場合
廃車手続き後、すぐに新しい車に乗り換える場合には、保険は解約せずにそのまま継続して加入することをおすすめします。
車の情報だけを入れ替える手続き車両入替と呼びますが、仮に保険を解約して新規で加入する場合、今まで積み上げてきた保険等級がリセットされてしまいます。
結果的に保険料が高くなるため、解約せずに新しい車が納車されるまで変更しないことをおすすめします。
もし、任意保険の保険料を一時的に安くしたい方は、車両保険の付帯を外すことをおすすめです。車両保険は保険料全体の中でも約6割の負担を占めています。
そのため、車両保険を外すだけでも毎月もしくは毎年の保険料が一時的に削減されます。
しばらく車に乗らない場合
廃車後、すぐに車に乗らない場合は、中断証明書の発行をおすすめします。
中断証明書とは、今まで加入している保険の等級を一時的に中断することを証明する書類です。仮に新しい車を購入もしくは車を別の方からもらった場合に、中断している以前の等級を引き継いで新しく保険に加入できます。
ただし、保険会社によって中断可能な期間が異なるため、中断証明書を発行する前には保管期間や内容、等級を確認しておきましょう。
中断証明書の発行条件
中断証明書は、現在の等級を中断して次の保険契約に繋げられる便利な書類です。
しかし、発行する際にはいくつかの条件があります。
【国内特則】
・中断後の新契約の等級が7等級以上である
・廃車、譲渡、返還、車検切れ、一時抹消、盗難により車が手元にない状態
・中断日(解約日もしくは満期日)から13ヶ月以内であること(保険会社によっては5年以内のケースもある)
上記発行条件を満たした場合、中断証明書の発行が実施されます。
そのため、どんな条件でも中断証明書は発行できないものだと認識しましょう。
3ステップ!廃車後の任意保険解約手続きを解説
廃車後の任意保険解約手続きは以下の4ステップで進めていきます。
・ステップ1:買取業者に廃車引き渡し
・ステップ2:任意保険会社への解約連絡
・ステップ3:解約返戻金の振込確認
1つ1つ詳しく解説します。
ステップ1:買取業者に廃車引き渡し
まずは、買取業者にて廃車を引き渡しします。
買取業者に廃車を引き渡す前に保険の解約手続きを行うのではなく、無事車両を引き渡した後に手続きを進めましょう。
この際、車検証のコピーなどを事前に保管しておくと、任意保険会社への手続きがスムーズになります。
ステップ2:任意保険会社への解約連絡もしくは中断証明書発行
廃車を買取業者に引き渡した後は、現在加入している任意保険会社に解約もしくは中断証明書の発行依頼を行います。
解約もしくは中断証明書を発行する際には、
・いつ保険を解約、中断するのか?
・解約返戻金はどのくらいなのか?
・解約返戻金が口座に振り込まれるタイミングはいつか?
・中断証明書の書類は後日郵送されるのか?
などを確認しておきましょう。保険会社から届く解約もしくは中断証明書はなくさないよう保管しておくことをおすすめします。
ステップ3:解約返戻金の振込確認
解約返戻金が口座に振込されたことを確認すると、一連の手続きは終了です。
保険会社によって解約返戻金が口座に振り込まれまでに多少の時間がかかります。
廃車で任意保険を解約する場合の注意点
廃車で任意保険を解約する際には3つの注意点があります。
・注意点1:中断証明書を発行&保管しておく
・注意点2:解約返戻金がいつ振込されるのか確認する
・注意点3:現在の等級を確認しておく
それぞれの注意点を詳しく解説します。
中断証明書を発行&保管しておく
廃車後に保険を中断する場合には中断証明書を発行します。発行した中断証明書は、任意保険を再開する際に必ず必要になります。
もし、保険会社から頂いた中断証明書が紛失してしまった場合には、加入していた保険代理店もしくは保険会社に中断証明書の再発行を願いしましょう。
中断証明書がなければ、元の等級を引き継ぎ保険を契約することができません。
解約返戻金がいつ振込されるのか確認する
任意保険を解約もしくは中断した場合には、解約返戻金が口座に振込されます。
現在、月払いで任意保険の保険料を支払っている場合には、月初めから10日以内に解約返戻金が口座に振込されます。
年払いで任意保険料を支払っている場合には、解約返戻金が振込されるまでに10日以上の時間が必要になる可能性が高いです。
保険会社によって解約返戻金振込される期間やスピードが異なります。そのため、任意保険を解約する場合には「いつ解約返戻金が口座に振り込まれるのか」を確認しておきましょう。
現在の等級を確認しておく
解約もしくは中断した際の等級を確認しておくことも重要です。
仮に任意保険を再開させる場合には、正確な保険料を把握できる見積書を作成するために、現在の等級が必要になります。
等級によって保険料の割引率が異なるため、等級が異なれば毎月もしくは毎年負担する保険料が異なります。また、契約した後に保険会社の確認で等級訂正が必要な場合には、再度手続きを行う手間が発生するでしょう。
解約もしくは中断した場合の等級は、記録として残しておくことをおすすめします。