愛車を廃車にしたいけど、車の部品をパーツ取りしたい箇所があると考えている方いませんか?パーツ取りは取り外す箇所によって違法なケースと違法ではないケースがあります。
実際に多くの方は、パーツ取りで違法なケースと違法ではないケースを理解していません。そこでこの記事では、廃車のパーツ取りで違法になる部分と違法ではないケースを詳しく解説します。
記事内では、廃車のパーツ取りを行う際に注意したいポイントについても合わせて解説しています。気になる方は是非参考にしてみてください。
廃車のパーツ取りは違法?
この記事の結論から説明すると、廃車のパーツ取りは違法になるケースと違法ではないケースの2種類があります。
パーツ取りは、車の解体に関連する自動車リサイクル法や解体後の処理に関連する廃棄物処理法に触れる恐れがあり、正しい知識を身につけることが重要です。自動リサイクル法と廃棄物処理法について詳しく解説します。
自動車リサイクル法
自動車リサイクル法は、車のリサイクルについて、所有者や事業者などの役割を定めたものを意味します。
車を解体する解体業は、都道府県知事等からの許可を得ることが基底となっており、使用済み自動車からエアバックや有用部品、タイヤ、廃油などを回収する事業者が解体の許可を予め取得しなければいけません。
許可不要で行える作業は、所有者から取り外しの依頼を受けたオーディオなどの付属品の解体に限定されます。
廃棄物処理法
廃棄物処理法は、廃棄物の処理を規定した法律のことです。一部取り外した部品を除き、使用済み自動車やエアバックなどは法令上廃棄物とみなされます。
廃棄物処理法は金銭的な価値があるのかは関係ありません。もし、廃棄物と判断されるものを勝手に処分した場合には、廃棄物処理法に関係する可能性があります。
個人で解体することは問題ないのか?
ここまで自動車リサイクル法や廃棄物処理法について解説してきましたが、どの部品を取り外しても問題なく、部品の放置が違法になる訳ではありません。
部品取りが個人で行える範囲は、「部品を取り除くことで走行に問題があるかどうか」で判断することができます。一言で説明すると、「車検に通過できない部品の取り外しは違法になる」という意味です。
つまり、個人で部品を解体する場合には、走行に関係ない付属品に関して取り外しは許可されています。
パーツ取りが可能な4つのケース
パーツ取りが可能な4つの部品について詳しく解説します。
- ケース①:音楽や画像関連部品
- ケース②:ETC車載器関連
- ケース③:日避け関連部品
- ケース④:防犯系の部品
それぞれ詳しく解説します。
ケース①:音楽や画像関連部品
カーオーディオや車内定着式テレビなどが、車内で映像や音楽を楽しむ部品であり、走行上に影響はありません。
また、関連して道順を確認するための便利なカーナビも問題なく取り外しが可能になります。
ケース②:ETC車載器関連
ETC車載器などは、高速道路の通行料金を適正に支払うために必要な部品です。カードを差し込むことで、高速道路を利用できますが、ETC車載器は、走行に関係ない部品のため、パーツ取りしても問題はないでしょう。
ETC車載器は適正にセットアップすることで、他の車に設置することも可能な部品です。
ケース③:日避け関連部品
ドアバイザーや車用のカーテンを含むブラインドはパーツ取りして問題ない部品です。ドアバイザーを別の車で使用する方は中々いませんが、取り外しが許可されていることを覚えておきましょう。
ケース④:防犯系の部品
防犯用として付属品を取り付ける場合がありますが、後付けした防犯灯や警報装置、車内に設置するタイプの防犯ガラスなどは取り外しても問題はありません。
原則、車の走行上、支障が発生しない部品であれば、パーツ取りは許可されています。
パーツ取りがNGな5つのケース
パーツ取りが許可されていないケースを5つ紹介します。
- ケース①:エンジン系
- ケース②:ミッション系
- ケース③:走行系
- ケース④:電装系
- ケース⑤:懸架系
それぞれのNGケースを詳しく解説します。
ケース①:エンジン系
車の軸となるエンジンやエンジン駆動に関連するタービンの部品などの部品、エンジン冷却に関連するラジエーターなどのエンジン系一式などのパーツ取りはNGとされています。
さらに燃料ポンプや排気ガスを出すマフラーなど、パーツがないと車を動かせない部品も取り外しが許可されていません。
ケース②:ミッション系
車のミッション系は、車の減速に関係する部品です。主にミッション車に使用されるクラッチディスクやクラッチカバー、オートマチック車に使用されるトルクコンバーターなどがパーツ取りできない部品に該当します。
ケース③:走行系
駆動輪の左右の回転差を制御するデフ(デファレンシャルギヤ)、動力をタイヤに伝えるドライブシャフト、動力を運動に変換するアクチュエーターなどはパーツ取りが許可されていません。
また、急ブレーキでのタイヤロックを防止するABSやハンドル操作に関連するパワーステアリングなどもパーツ取りできない部品として挙げられます。
ケース④:電装系
電装系とは、電子制御機器のことを意味しており、エンジン始動のためのセルモーターや発電、電力供給に関係するオイルネーター、空気流入を計測するエアフローメーターなども指します。
運転中、目にすることが多いスピードメーターやエアコンパネルなども電装系に該当しているため、パーツ取りは許可されていません。
ケース⑤:懸架系
走行時の安定性などに関係するサスペンション系のパーツはパーツ取りは許可されていません。
サスペンションやロアアーム(タイヤとサスペンションなどを連結する部品)などの部品もパーツ取りは不可です。
廃車のパーツ取りを行う際の3つの注意点
廃車時にパーツ取りする際の注意点を3つ紹介します。
- 注意点①:取り外しには工賃が発生する可能性も
- 注意点②:廃車予定業者に事前確認しておく
- 注意点③:違反行為で罰則が課せられる可能性がある
それぞれの注意点を詳しく解説します。
注意点①:取り外しには工賃が発生する可能性も
パーツ取りを自分で行う際には工賃が発生しませんが、廃車業者などに作業を依頼する場合、取り外し工賃が必要です。簡単な部品の取り外しであれば無料で実施してくれる業者も中にはあるでしょう。
しかし、ケーブルなどで繋がっている部品であれば、取り外し工賃がかかります。取り外し工賃の相場は、おおよそ「5,000円〜10,000円」です。作業時間は30分〜60分ほどの相場になります。
注意点②:廃車予定業者に事前確認しておく
パーツ取りに関しては、事前に廃車業者に相談してみることが重要です。廃車買取業者や解体業者は、車のパーツを全て揃っていることが前提で買取金額を提示しています。
そのため、売却検討者の勝手な判断でパーツ取りを行うと契約時に決定されていた金額から減額される可能性も考えられます。
後々、廃車業者とトラブルに発展させないためにも、パーツ取りを検討している場合には、その旨を廃車業者に伝えてから次の行動に移りましょう。
注意点③:違反行為で罰則が課せられる可能性がある
自動車リサイクル法に対して違反行為に該当した場合には、罰則が課されます。解体自動車の許可なく扱った場合、「50万円以下の罰金、もしくは1年以下の懲役」のどちらかに該当します。
無許可で廃棄物処理法に接触する行為を実施した場合には、1,000万円以下の罰金もしくは、5年以下の懲役が課されるでしょう。
廃車・パーツ取りについてよくある質問事項
廃車・パーツ取りについてよくある質問事項を以下にまとめました。
- 質問事項①:廃車のパーツ取りは違法ですか?
- 質問事項②:廃車のパーツ取りがOKなケースを教えてください
- 質問事項③:廃車のパーツ取りがNGなケースは何?
- 質問事項④:廃車のパーツ取りで注意すべきポイントは?
記事の内容を振り返る意味でも、もう一度詳しく確認してみましょう。
質問事項①:廃車のパーツ取りは違法ですか?
廃車のパーツ取りは違法になるケースと違法ではないケースの2種類があります。
パーツ取りは、車の解体に関連する自動車リサイクル法や解体後の処理に関連する廃棄物処理法に触れる恐れがあり、正しい知識を身につけることが重要です。
質問事項②:廃車のパーツ取りがOKなケースを教えてください
カーオーディオや車内定着式テレビなどが、車内で映像や音楽を楽しむ部品であり、走行上に影響はありません。
また、関連して道順を確認するための便利なカーナビも問題なく取り外しが可能になります。原則、車の走行上、支障が発生しない部品であれば、パーツ取りは許可されています。
質問事項③:廃車のパーツ取りがNGなケースは何?
車の軸となるエンジンやエンジン駆動に関連するタービンの部品などの部品、エンジン冷却に関連するラジエーターなどのエンジン系一式などのパーツ取りはNGとされています。
さらに燃料ポンプや排気ガスを出すマフラーなど、パーツがないと車を動かせない部品も取り外しが許可されていません。
質問事項④:廃車のパーツ取りで注意すべきポイントは?
パーツ取りに関しては、事前に廃車業者に相談してみることが重要です。廃車買取業者や解体業者は、車のパーツを全て揃っていることが前提で買取金額を提示しています。
そのため、売却検討者の勝手な判断でパーツ取りを行うと契約時に決定されていた金額から減額される可能性も考えられます。
後々、廃車業者とトラブルに発展させないためにも、パーツ取りを検討している場合には、その旨を廃車業者に伝えてから次の行動に移りましょう。