車を廃車にしたいと考えているけど、ローン残債が残っていると悩んでいる方いませんか?この記事の結論から説明すると「車にローン残債が残っている場合には、一括返済を行い、所有権解除手続きを行う」必要があります。
しかし、多くの方は「所有権解除」についての正しい知識を理解していません。
そこでこの記事では、所有権解除の手続き方法を解説します。記事内では、所有権解除に必要な書類関係についても解説しています。
気になる方は是非、参考にしてみてください。
廃車時に所有権解除は必要?
車を廃車にするには「ローン残債をなくし所有権解除する」必要があります。
ローンが残っているにも関わらず、車を廃車すると「横領罪」に該当してしまいます。
以下では所有権解除とはどのような内容なのかやローン会社やクレジット会社が車の所有者の場合の解除方法を解説します。
意外と知らない「所有権解除」とは?
所有権解除とは、クレジット会社やローン会社が所有する車を自分の所有物に変更する手続きです。
車の所有者がクレジット会社やローン会社になっている場合には以下2つの状態が考えられます。
・車のローンを支払い途中である
・完済した後の所有権解除手続きが行われていない
ローン完済すれば、自分の所有物になると勘違いされる方も中にはいます。
しかし、実は車のローンを完済しても、適切な手続きを行わなければ、所有権解除が行われていない状態になります。
車を廃車する前には必ず所有権解除の手続きを済ませてから廃車手続きを進めましょう。
ローン支払いが完了すると所有権解除ができる
所有権解除は「車のローンが残っている間」は解除できません。
ローン支払い途中は「所有権留保」と呼ばれる状態になっています。
所有権留保の状態は、担保状態と同じであり、所有者の判断で車の回収や売却ができます。
つまり、所有権留保の状態では、仮にローンの返済が滞った場合、ディーラーやクレジット会社、ローン会社の判断1つで車を引き上げることも可能になります。
所有権留保はクレジット会社やローン会社が損失を出さないための存在です。
所有権解除の手続きを行うためには、ローン残債を一括返済する必要があります。
【5ステップ】所有権解除の具体的な手続き方法
所有権解除の具体的な手続き方法は以下5つの手順です。
・【ステップ1】車検証と完済証明書を手元に準備する
・【ステップ2】車の所有者に連絡する
・【ステップ3】必要書類を準備して郵送する
・【ステップ4】所有権解除の書類がローン会社やクレジット会社から届く
・【ステップ5】廃車業者に所有権解除の書類を提出する
それぞれの手順を詳しく解説します。
【ステップ1】車検証と完済証明書を手元に準備する
まずは車の車検証と完済証明書を準備します。
完済証明書は、ローン残債を返済しないと発行できない書類です。
ローンを完済しているにも関わらず、完済証明書が手元に届かない場合には、一度クレジット会社やローン会社、ディーラーに連絡を入れてみましょう。
【ステップ2】車の所有者に連絡する
車の車検証と完済証明書を準備した後は、車の所有者に所有権解除の手続き依頼を連絡します。
もし、車をディーラーで購入した場合でも、所有権解除の手続きを行う際には、クレジット会社やローン会社にまずは連絡を入れましょう。
所有権が同系列の信託会社になっていることが多く、所有権解除もディーラーではなく信託会社で行う必要があるからです。
連絡を入れた後は、所有権解除の手続きを依頼して、必要書類を教えてくれます。
必要書類については、メモに残しておくなどの対策が必要です。
【ステップ3】必要書類を準備して郵送する
所有権解除に必要な書類は以下の通りです。
・自動車検査証
・印鑑証明書
・完済証明書
・所有権解除の交付依頼書
・自動車税の納税証明書
・返信用の封筒と切手
各クレジット会社やローン会社によって必要書類が異なります。
とくに印鑑証明書の準備は「所有権解除する車が軽自動車」の場合、準備する必要がありません。印鑑証明書が必要になるのは、普通車以上の車です。
また、印鑑証明書は発行から3ヶ月以内の書類が有効となります。
必要書類を準備した後は。指定住所に書類を郵送しましょう。
重要書類が多いため、簡易書類留で郵送すると安心します。
【ステップ4】所有権解除の書類がローン会社やクレジット会社から届く
所有権解除に必要な書類を準備した後は、クレジット会社もしくはローン会社から所有権解除の書類が届きます。
郵送した書類に不備がない場合、郵送してからおおよそ1週間〜2週間ほどで所有権解除の書類が手元に届きます。
郵送方法はローン会社やクレジット会社によって様々ですが、簡易書留や配達記録で送られるケースが多いです。
所有権留保の書類が郵送されて手続きが完了した訳ではありません。
【ステップ5】廃車業者に所有権解除の書類を提出する
所有権解除の書類を準備できた後は、廃車業者に書類を提出します。
廃車手続きを業者に依頼する場合には、自分で手続きを行う必要はありません。
あくまで所有権解除に必要な書類を準備して、廃車業者に書類を提出するだけです。
所有権解除したいけど一括返済できない場合は?
所有権解除したいけど、一括返済する資金がない場合の解決策を紹介します。
具体的には以下3つの方法です。
・対策方法1:別のローン会社もしくは銀行で借りる
・対策方法2:親戚にお金を貸してもらう
・対策方法3:解体業者に差額分の費用を支払う
それぞれ詳しくみていきましょう。
対策方法1:別のローン会社もしくは銀行で借りる
所有権解除したくても「一括返済する資金力がない方」は銀行や別のローン会社で借入を行いましょう。
とくに銀行では、お得なマイカーローンを多数提供しています。
そのため、新車ではなく、あくまで別のローンとしてローン残債分の金額を月払いで精算していく形になります。
銀行ローンによって金利や分割支払いできる回数が異なるため注意が必要です。
対策方法2:親戚にお金を貸してもらう
所有権解除したくてもできない場合の対策方法2つ目は「親戚にお金を貸してもらう」ことです。
親戚にお金を借りるメリットは、利子が発生せず、気軽に相談しやすい点です。
銀行や別のローン会社にお金を借りる場合、金利手数料が発生します。
金利手数料は金利が高いほど、負担する費用が大きいです。
ただし、親戚にお金を借りることで、トラブルに発展しやすくなる可能性も考えられるため注意が必要です。
対策方法3:解体業者に差額分の費用を支払う
所有権解除したくてもできない場合の対策方法3つ目は「解体業者に差額分の費用を支払う」ことです。
所有権解除は何もクレジット会社やローン会社にお金を振り込む方法だけではありません。
差額分の費用を解体業者や廃車業者に支払うだけで業者が代理手続きしてくれる可能性もあります。
もし、手元に買取金額を含めた上で一括返済できる資金がある方は、廃車業者に依頼しても良いかもしれません。
所有権解除する際の注意点は?
所有権解除する際に気をつけてほしい注意点が3つあります。
・注意点1:車の所有者をしっかり確認する
・注意点2:所有権解除の手続き方法を理解する
・注意点3:ローン残債が残っている場合には別の対策を考える
それぞれの注意点を詳しく解説します。
注意点1:車の所有者をしっかり確認する
所有権解除する際の注意点1つ目は「車の所有者を確認する」ことです。
所有権解除を行う以前に、車の所有者がクレジット会社やローン会社ではなく、自分名義の場合には、すぐに廃車手続きを行えます。
所有権解除が必要だと勘違いしていると、無駄な時間をかけてしまいかねません。
まずは、車の車検証内の「所有者の欄」を確認してから、手続きに動きましょう。
注意点2:所有権解除の手続き方法を理解する
所有権解除する際の注意点2つ目は「所有権解除の手続き方法を理解する」ことです。
所有権解除の手続きを実施した経験がある方は、意外と少ない傾向にあります。
そのため、大半の方が初めて行う手続きであり、慣れていません。
所有権解除に必要な手続きと必要書類を準備した上で、慌てず落ち着いて手続きを進めましょう。
注意点3:ローン残債が残っている場合には別の対策を考える
所有権解除する際の注意点3つ目は「ローン残債が残っている場合には別の対策を考える」ことです。
所有権解除したくても「一括返済する資金力がない方」は銀行や別のローン会社で借入を行いましょう。
とくに銀行では、お得なマイカーローンを多数提供しています。
そのため、新車ではなく、あくまで別のローンとしてローン残債分の金額を月払いで精算していく形になります。
ローンを借りる際には必ず「金利手数料がどのくらい発生するのか」を確認しておきましょう。
廃車 所有権解除についてよくある質問事項
廃車 所有権解除についてよくある質問事項を以下にまとめました。
・質問事項1:廃車時に所有権解除は必要ですか?
・質問事項2:所有権解除を行うにはどうすれば良いの?
・質問事項3:所有権解除を行う際の注意点は?
この記事の内容を振り返る意味でも詳しくみていきましょう。
質問事項1:廃車時に所有権解除は必要ですか?
車を廃車にするには「ローン残債をなくし所有権解除する」必要があります。
ローンが残っているにも関わらず、車を廃車すると「横領罪」に該当してしまいます。
そのため、車を廃車する前には必ず所有権解除の手続きを済ませてから廃車手続きを進めましょう。
質問事項2:所有権解除を行うにはどうすれば良いの?
所有権解除の具体的な手続きは以下5つの手順で進めます。
・【ステップ1】車検証と完済証明書を手元に準備する
・【ステップ2】車の所有者に連絡する
・【ステップ3】必要書類を準備して郵送する
・【ステップ4】所有権解除の書類がローン会社やクレジット会社から届く
・【ステップ5】廃車業者に所有権解除の書類を提出する
注意してほしいポイントは所有権解除に必要な書類を準備した後、クレジット会社から郵送される書類を用意するだけでは完了しません。
郵送された書類を廃車業者に提出することで初めて、所有権解除の手続きが完了します。
質問事項3:所有権解除を行う際の注意点は?
所有権解除する際の注意点1つ目は「車の所有者を確認する」ことです。
所有権解除を行う以前に、車の所有者がクレジット会社やローン会社ではなく、自分名義の場合には、すぐに廃車手続きを行えます。
所有権解除が必要だと勘違いしていると、無駄な時間をかけてしまいかねません。