【MAZDA アテンザ vs VOLVO V60】 決定!エコチャンピオン

【MAZDA アテンザ vs VOLVO V60】 決定!エコチャンピオン

マツダの1.5ℓディーゼルについては分かった。続いては2.2ℓディーゼルをチェック。フラッグシップであるアテンザワゴンと、北欧のディーゼル、V60 D4を比較する。
●文:川島 茂夫 ●写真:奥隅 圭之

CHECK1 ディーゼルワゴン同士、走りの特徴と得意分野

切れ味のアテンザ、「どっしり」のV60

昔から、燃費と動力性能の両立という面でターボディーゼルが最も優れた内燃機なのは分かっていたが、壁となっていたのが排気ガス浄化。浄化装置の性能向上で一躍エコカーのトップグループに加わったのがクリーンディーゼルの第1世代である。

国内のディーゼル乗用車をリードしているマツダのスカイアクティブDは第2世代とも言え、低圧縮比化による軽量小型化や振動騒音低減、許容回転数の向上など、いわば感覚面や構造上のディーゼルのハンデの解消が図られている。性能面でもシリーズの最上級に位置し、アテンザではマツダの看板グレードにもなっている。ボルボも第2世代に属するが、マツダとは進化の方向性に多少の違いがある。詳しくは後述するが、少量多品種を実現するための生産コスト減も見所。マツダ同様に上級設定となり、現在日本に導入されているモデルではV40系とS/V/XC60の4車種に展開。中でもV60はスカイアクティブDのフラッグシップとなるアテンザワゴンと、キャラや適応用途の被るモデルなのだ。

eco_ateszav60_13_20160617まずは試乗の印象から。アテンザと比べるとボルボは良い意味での重みが感じられる。最大トルクはアテンザが2㎏・m上回っているのだが、運転感覚ではボルボのほうが力強いのだ。最大トルク発生回転域が幅広いのも一因だが、ボルボはアテンザよりも加速時のダウンシフト頻度が少なく、アップシフトも早い。言い方を換えるならアテンザは引っ張り気味に加速するため力感では及ばないが、加速感が伸びやかである。これはエンジン性能の違いというよりも、運転感覚の演出の差異と考えるべきで、マツダ車は総じてこの傾向が強い。

フットワークも同様だ。ボルボはどっしりとした接地感の高減衰志向。切れ味よりも収まりに重点を置く高速ツアラー型だ。アテンザは高速安定を重視しながらも、操舵反応や加減速による挙動を利用して「ファントゥドライブ」を演出。V60の車体サイズはアテンザよりコンパクトなのだが、コーナリング時の運転感覚は一回り大きく感じられる。また、アテンザは乗り心地も比較的軽快であり、低速域での突き上げも、ボルボより少ない傾向にある。

ディーゼル感覚も両車の違いのひとつ。ボルボはディーゼル特有のノック音が目立つ。走行中はそれほど気にならないが、アイドリング時の車外騒音は目立つ。アテンザは車外騒音も含めて、ディーゼル感覚の少なさはトップクラスであり、騒音振動面でも軽く回る印象を受ける。

アテンザワゴン V60
ボディの扱いやすさ 5 4
走りの質感 4 5

 

CHECK2 2.2ℓと2.0ℓ、ディーゼルユニットの違いを探る

システム系がよく似た両車、より新しいのはボルボ

eco_ateszav60_14_20160617排気量は違うが、コモンレール式噴射装置などの基本構成はほぼ共通と言える。それだけでなく共にデンソー製の燃料噴射システムなどを採用。より緻密な制御を可能としたiーART搭載インジェクターの採用など、ハード的にはボルボが最新仕様になるが、パワートレーンは異母兄弟とも言える構成である。

両車のエンジンで注目点のひとつはコストダウンの手法だ。アテンザは尿素SCRや吸蔵還元触媒も用いず、ボルボは吸蔵還元型触媒とDPFを一体化した新型触媒により排ガス浄化システムのコストダウンを図った。さらにボルボはエンジン本体の基本構造をガソリンエンジン(T5系)と共用化し、量産性を高めることでコストを削減している。

アテンザワゴン V60
パワーユニットのエコ度 4 5

CHECK3 プロポーションと質感を比較する

ワゴンらしいアテンザに、よりスペシャリティな雰囲気のV60

eco_ateszav60_15_20160617プレミアム&スペシャリティ志向では共通しているが、ワゴンとしての成り立ちではアテンザが本流志向。ボルボV60はS60から発展したワゴン、あるいはV70のショートキャビン仕様であり、短く切り詰められたリヤオーバーハングや、後部を絞り込んだスポーティなスタイルを特徴にする。比較すればスペシャリティ感重視のショートワゴンなのだ。ワゴンらしい佇まいを求めればアテンザの方がまとまっている。インパネ周りはアテンザがコックピット的で、ボルボは意外とあっさりしている。ただし、後席の設えや座り心地、あるいは内装トリムの仕立てはボルボが上手く、見た目も触感も素材感が1クラス上。もっとも、価格差を考えれば当然である。

アテンザワゴン V60
外装デザインと質感 4 5
内装デザインと質感 4 5

CHECK4 ロングドライブに欠かせない安全&快適装備の充実度は?

対歩行者に対しての安全装備で先を行くボルボ安全装備

ボルボはラグジュアリー仕様とスポーティ仕様の構成で、全車にナビやインテリセーフ10と呼ばれる安全&運転支援装備群を標準装着する。アテンザも最上級グレードではiアクティブセンスを標準装着するが、ナビはOPである。もっとも、地図SDカードの購入だけでナビ機能が加わるマツダコネクトが標準装着されているので、装備水準は同等と考えて良い。安全&運転支援装備もPCSやACC、LKA、BSMなどの主だった機能の取りこぼしはない。また、ともに衝突回避は歩行者にも対応している。ほぼ共通した内容だが、ボルボ独自なのが歩行者用エアバッグ。歩行者と接触した時にワイパーやウインドウとの衝突を防ぐのが特徴である。

アテンザワゴン V60
安全装備の実用度 4 5
快適装備の実用度 5 4

CHECK5 ワゴンに求められるユーティリティの実力で勝負

ボディ自体の長さがそのまま荷室容量にも影響

パッケージングの違いは実用性に大きく影響している。リヤオーバーハングを切り詰めれば荷室容量が減少する。両車のホイールベースはほほ同等であり、全長の差は荷室容量の差と言っても良い。

また、後席居住性もアテンザの方が寸法的な余裕がある。ボルボにすればワゴンらしい荷室容量を求める人向けにはV70があるので、V60はキャラを際立たせているのだろうが、V70にはディーゼル車は設定されていない。ユーティリティでは分が悪いボルボだが、アテンザより便利と思わせるのが荷室床に設置されたフロアレール。アタッチメントを用いてパーティションや2段デッキへと荷室のアレンジが可能。容量に余裕がなくても、工夫で使い回しを良くしている。

アテンザワゴン V60
居住性 5 4
ユーティリティ 5 4

【王者決定】ディーゼルの得意な高速長距離。そこでより安心なのがボルボだ

ワゴンとしての実用性も重視するならアテンザを

eco_ateszav60_12_20160617

ボルボの試乗記では常套句だが、走りの志向は「アウトバーンツアラー」。本家独車同様にボルボも乗り心地向上で進化し、「ドライバーに多くを要求しない高性能」が軸足なのに変わりはない。どっしり安心、簡単快速というわけ。アテンザは操る手応えを意図的に加えている。同じく「人馬一体」を掲げつつ、安心志向のデミオ/CX│3よりちょっとロードスター寄りとも言える。ハイアベレージではボルボよりも緊張するし、先読み操作など作業は増えるが、スポーティモデルのような楽しみもあり、回し気味な制御のパワートレーンもキャラに似合う。

ディーゼル車を選ぶメリットが最も大きいのは高速長距離走行。フットワークの特性にしても余力感を中心にしたパワーフィールにしてもボルボはその期待にぴたりと嵌る。アテンザも高速長距離走行を得意とするが、操る手応えは長距離走行では無用の長物であり、安心感と運転疲労の少なさだけを取り出せばボルボに及ばないのである。

しかし、積載性や後席居住性にこだわる必要性がないダウンサイザーならいざ知らず、実用性を考えてワゴンを選ぶドライバーにはボルボは厳しい。約100万円の価格差を考えてもボルボはプレミアムを求めて選ぶべき。実用性とディーゼル車の総合的な経済性を求めるヘビーユーザーにはアテンザを勧める

アテンザワゴン V60
合計点 40 41

 

おすすめグレード

アテンザワゴンD XD プロアクティブ
ベーシックグレードではPCSやACCが選択できないので、中間設定となるプロアクティブが良い。安全&運転支援もフル装備になるLパッケージとの価格差は約46万円。上手にOPを活用すれば買い得感も上々だ。

支払い例 車両本体価格(税抜) 303.5万円
車両本体目標値引き 30万円
概算諸費用(エコ減含む) 35.5万円
総支払い額 309.0万円
燃料代例 JC08モード燃費 19.6km/ℓ
使用燃料 軽油
1万km走行燃料代 5万1579円
5万km走行燃料代 25万7895円
10万km走行燃料代 51万5789円

V60 D4 SE
上級設定になるRデザインには専用のサスチューニングや装備、OPが用意されているが、価格差を考えればハイパフォーマンスにこだわるドライバー限定。価格も乗り味も装備設定もSEが一般的プレミアム派向けだ。

支払い例 車両本体価格(税抜) 443.5万円
車両本体目標値引き 30万円
概算諸費用(エコ減含む) 49.7万円
総支払い額 463.2万円
燃料代例 JC08モード燃費 20.2km/ℓ
使用燃料 軽油
1万km走行燃料代 4万9000円
5万km走行燃料代 24万5000円
10万km走行燃料代 49万円

※燃料代は資源エネルギー庁発表(2月10日)の調査結果を基にレギュラー:113.2円/ℓ、プレミアム:124.1円/ℓ、軽油:98.5円/ℓとし、JC08モード燃費を参照し計算。



※エコカー減税の①は取得税が100%、重量税が100%、②は取得税が80%、重量税が75%、③は取得税が60%、重量税が50%、④は取得税が40%、重量税が25%、⑤は取得税が20%、重量税が25%減税となる。

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『月刊自家用車』2016年4月号掲載

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