車の廃車手続きを自分で行うか業者に依頼しようか悩んでいる方いませんか?
この記事の結論から説明すると「廃車手続きを自分で行うことは可能」です。
しかし、多くの方は廃車手続きについて知見がある訳ではないため、手続き方法が分かりません。
そこでこの記事では、廃車手続きを自分で行う方法や廃車に必要な書類、手続きする際の注意点を解説します。
愛車を廃車にしたい方は、是非参考にしてみてください。
廃車手続きを自分で行うことは可能?
廃車手続きを自分で行うことは可能ですが、必要書類や手続き方法を間違えてしまうと、余計な時間が必要になります。
また、廃車手続きを自分で行うより、業者に任せた方が費用がかからないケースもあります。
廃車の手続き内容を事前に確認して、1つ1つの手続きを慎重に進めていきましょう。
廃車には2つの手続きがある
車を廃車手続きする場合には「永久抹消」と「一時抹消」の2つの方法があります。
それぞれの抹消方法によって手続きが異なるため、注意が必要です。
永久抹消
永久抹消とは、廃車する車を二度と運転しない車に対して行われる手続きです。主に解体車や走行不能車の登録を削除する手続き方法になります。
永久抹消の手続きを行うと、手続き後は公道で走行することはできません。
永久抹消の手続き場所は、管轄の運輸支局で手続きを行う必要があります。
永久抹消の際、既に支払い済みである自動車税や自賠責保険料は、月割り計算で還付されます。
ただし、還付されるのは普通車以上の場合です。軽自動の永久抹消で還付金は戻ってきません。
一時抹消
一時抹消は、車の登録を一時的に中断する手続き方法です。長時間車を使用しない場合に行われる手続きでもあり、再登録の手続きを行えば、再び公道を走行できます。
一時抹消の手続きは、転勤や引っ越し、そのほかの諸事情により車を一時的に使用しなくなった場合に行います。
一時抹消の手続きを行わなければ、自動車税や自賠責保険料を支払わなければいけないため注意が必要です。
一時抹消では、永久抹消と同じく自動車税の還付金を受け取れますが、自動車重量税は還付されません。
一時抹消を行った後、再び車を使用する場合には、管轄の運輸支局で再度手続きを行いましょう。
5ステップ!廃車手続きを自分で行う際の具体的な流れ
廃車手続きを行う際には以下5ステップで進めていきます。
・ステップ1:廃車手続きに必要な書類の準備
・ステップ2:解体業車を探す
・ステップ3:運送支局もしくは陸運局を確認
・ステップ4:ナンバープレートの返却&書類の提出
・ステップ5:税務署で抹消申告をする
それぞれのステップを詳しく解説します。
ステップ1:廃車手続きに必要な書類の準備
まずは廃車手続きに必要な書類の準備から始めます。
廃車手続きを行う際には、以下の書類をまず準備しましょう。
・使用者の実印
・自動車検査証(車検証)
・ナンバープレート
・移動報告番号&解体報告記録
廃車手続きでは、車の所有者本人が手続きを行う際に「実印」が必要になります。
本人以外が廃車手続きを行う際には「委任状」が必要です。
廃車の際には「ナンバープレートの返却」が義務付けられています。
ただし、ナンバープレートを外した車を運転することは交通違反に該当するため、手続き場所までの交通手段の確保を事前に確保しておきましょう。
ステップ2:解体業車を探す
書類の準備後は、車の廃車をお願いする業者を探します。
この際、車の解体まで実施してくれる業者を探し、車を駐車している位置まで引き取りをお願いしなければいけません。
解体業車によって個人と業者間でのトラブルを避けるために解体依頼を断るケースも中にはあります。
その際にはディーラーなどに廃車手続きを代行依頼できますが、1万円〜8万円ほどの費用が必要になります。
そのため、車を解体(スクラップ)する場合には、廃車買取業者の利用をおすすめします。
ステップ3:運送支局もしくは陸運局を確認
廃車手続きを行う前に運輸支局もしくは陸運局を確認します。
手続き場所については、全国運輸支局等のご案内を事前確認しましょう。
参考URL:https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_fr1_000034.html
陸運局も運輸支局も土日祝日がお休みとなります。そのため、手続きを行う際には、平日のみ窓口にて対応可能です。
ステップ4:ナンバープレートの返却&書類の提出
陸運局もしくは運輸支局でナンバープレートの返却と書類の提出を行いましょう。
廃車手続き当日は陸運局または運輸支局で下記書類を入手後、記入します。
・手数料納付書
・永久抹消登録申請書、一時抹消登録申請書
・自動車税、自動車取得税申告書地域
ナンバープレートの返却後は、上記記入書類を窓口に提出して交付書類を受け取ります。
ステップ5:税務署で抹消申告をする
最後に運輸支局場内の自動車税事務所窓口にて「自動車税・自動車取得税申告書」を提出します。
この提出まで完了すれば、翌月からの未経過分自動車税が月割り計算で還付される仕組みです。
廃車手続きに必要な書類とは?
廃車手続きの際に必要な書類は「軽自動車」と「普通車」によって異なります。
以下ではそれぞれの車種に合わせて必要になる書類を詳しく解説します。
永久抹消時の必要書類
永久抹消の手続きを行う際には、以下の書類が必要になります。
【普通車の永久抹消】
・自動車検査証(車検証)
・印鑑証明書
・移動報告番号
・解体業車から取得する解体証明
・永久抹消登録申請書
・自動車税・自動車取得税申告書
・手数料納付書
【軽自動車の永久抹消】
・自動車検査証
・使用済自動車引取証明書
・解体届出書
・軽自動車税申告書
上記書類の中でも、印鑑証明書は車検証の所有者の欄に記載されている方の書類が必要です。また、印鑑証明書の有効期限は、発行日から3ヶ月以内の書類になります。
移動報告番号は、リサイクル券に記載されています。解体証明書は、車の解体番号記録日が記載されている書類です。
普通車の永久抹消の場合、以下の書類は運輸支局窓口で入手可能です。
・永久抹消登録申請書
・自動車税・自動車取得税申告書
・手数料納付書
軽自動の永久抹消の場合、以下の書類は軽自動検査協会窓口で入手できます。
・解体届出書
・軽自動車税申告書
軽自動車と普通車によって、必要になる書類が異なるため注意が必要です。
一時抹消時の必要書類
一時抹消の手続きを行う際に必要な書類は以下の通りです。
【普通車の一時抹消】
・車検証
・印鑑証明書
・一時抹消登録申請書
・自動車税・自動車取得税申告書
・手数料納付書
【軽自動車の一時抹消】
・車検証
・自動車検査証返納証明書交付申請書
・自動車検査証返納届出書
・軽自動車税申告書
一時抹消でも永久抹消でも、車の前後に取り付けられたナンバープレートが必要になります。普通車の一時抹消の場合、運輸支局窓口で以下の書類が入手可能です。
・一時抹消登録申請書
・自動車税・自動車取得税申告書
・手数料納付書
軽自動車の一時抹消では、以下の書類を窓口にて入手できます。
・自動車検査証返納証明書交付申請書
・自動車検査証返納届出書
・軽自動車税申告書
自分で廃車手続きする際に気をつけて欲しい4つの注意点
廃車手続きをする際に気をつけてほしい注意点が4つあります。
・注意点1:廃車にすると還付金が戻ってくる
・注意点2:自動車保険の解約もしくは中断証明書の発行を忘れない
・注意点3:廃車手続きに必要な費用を抑えておく
・注意点4:ローン残債が残っていないことを確認する
それぞれの注意点について詳しく解説します。
廃車にすると還付金が戻ってくる
車を廃車にすると、当年度の分の自動車税が還付されます。還付される条件としては、普通車以上の車を所有していることであり、軽自動車の場合には自動車税が還付されません。
自動車税は毎年4月1日時点での「車の所有者」に納税義務が発生します。抹消登録を進めると、抹消した翌月から3月までの未経過分の自動車税が月割り計算で還付される仕組みです。
自動車税の還付金は、以下の計算式で算出されます。
・1年の自動車税金額 ÷ 12ヶ月 ×抹消登録した翌月から3月までの残存月数
抹消前に還付される自動車税を計算しても良いかもしれません。
自動車保険の解約もしくは中断証明書の発行を忘れない
廃車手続きを実行した場合、同時に自動車保険の解約もしくは中断手続きを行う必要があります。
自動車保険の解約もしくは中断の判断基準は「今後、もう一度車を所有することがあるか?」です。
車を所有することがなければ、解約手続きでも良いでしょう。
ただし、自動車保険を解約すると、今まで積み上げてきた自動車保険の等級がなくなってしまいます。
仮に自動車保険を解約した後、新しく車を所有した場合には、6S等級と呼ばれる保険料の割引率が低い等級から加入し直す必要があります。
そのため、この先少しでも車を所有する可能性がある方は中断証明書の発行をおすすめします。
中断証明書とは、現在加入している自動車保険の等級を一時的に中断する書類です。
新しく車を所有した場合は、中断した際の等級を引き継ぐことが可能です。
廃車手続きに必要な費用を抑えておく
廃車手続きに発生する費用を事前に抑えておくことも重要です。廃車手続きの中でも「一時抹消」を行う際には、普通車と軽自動車ともに350円の手数料が必要になります。
また、ナンバープレートを取り外した車をスクラップするための運搬費用も必要になるでしょう。
レッカーでの運搬を業者に依頼する場合は1万円〜5万円ほどの費用が必要です。ディーラーに依頼する場合は、さらに追加費用が発生します。
ローン残債が残っていないことを確認する
廃車手続きを行う場合には「廃車予定の車にローン残債が残っていないのか」を確認する必要があります。
車の所有者がローン会社もしくはクレジット会社の場合、使用者の判断で車を廃車にはできません。
まず、廃車予定の車にローン残債がないことを確認した上で所有権解除と呼ばれる手続きを行う必要があります。
仮に車の所有権がクレジット会社の状態で廃車した場合、横領罪に該当する可能性があります。
所有権解除を行うためには、ローン残債の一括返済が必要です。
廃車手続きを行う前には、車のローン残債が残っていないのかを事前に確認しましょう。車検証の所有者名義を確認すれば、簡単に調べられます。
廃車手続きが面倒という方は業者に任せるのもあり!
廃車手続きが面倒という方は、廃車買取業車に代行依頼することもおすすめです。
廃車買取代行に依頼すれば、ご自身で行うことは「必要書類の準備」だけで済みます。
また、廃車に必要なレッカー手配や窓口での必要書類記入やナンバープレートの取り外しを自分で行う手間がないため、手間も一切かかりません。
自分で廃車手続きを行い、書類に不備があれば2度手間になりかねません。
自分で廃車手続きする自信がない方や廃車手続きについて知見がない方は、別の買取方法を探してみましょう。